STORY 1 「いま私にできることをできる範囲でやる」

[育成ボランティアさんの体験談 vol.1] この記事は 約4分で読むことができます。

※スペーサー

青森市在住

2018年に子猫育成ボランティアに登録してから3匹の子猫のお世話を経験してきました。

自分の手から離れていくのは寂しいですが、どの子も無事里親が決まり(内1匹はうちの子になりました)幸せに暮らしていると思うと、お役目を果たすことができて嬉しい限りです。 3匹目の子のお世話が無事に終わった頃に愛護センターの方からミルクボランティアのお話を聞き、不安は大きかったのですがその必要性に納得したので是非にと引き受けさせていただきました。

育成ボランティアさんが安心してお世話できるようにセンターが決めた基準

  • 体重450g以上
  • 虫下しとワクチンを済ませ体調が安定した状態

今まではこれらの基準をクリアした子のお世話でした。 がしかし、センターに収容される子はもっと小さい子も多く、助けられたはずなのにそれが叶わなかった子もいたそうです。 そんな子たちも譲渡できるようにと企画されたのが『ミルクボランティア』ということでした。

※スペーサー

初めての『ミルクボランティア』は(食事も排泄も自分で出来てかつ虫下しもワクチン接種も終わった子猫のお世話と違い)排泄も食事も自分ではできない子のお世話は睡眠不足との戦い。

短い間隔での哺乳と排泄のお世話、体重測定、記録…のループ。 また、突然容体が急変したりするかもしれないリスクも高いので、より注意深くお世話をする必要がありました。 やっと哺乳の間隔をあけても大丈夫になってきて自分で排泄できるようになってもトイレを覚えるまでがまた大変でした。 哺乳の合間に 「うんちまみれになった子猫のシャンプーとケージの掃除」 という作業が加わりました。

それでも最初生きることだけに精一杯だった赤ちゃん猫が、トイレも覚えてお皿から自分でご飯を食べるようになり、足取りが徐々にしっかりしてきて猫じゃらしで遊んだりするようになり、 私に甘えてきたりすると苦労が報われたような気持ちになりました。が、それ以上に
「よくここまで頑張ったね!」
という子猫に対する気持ちの方が大きいかもしれません。
「まだまだだよ!もっと楽しいことあるから長生きするよ!」
と声がけしていました。

気力体力ともに消耗しましたが、ミルクボランティアを引き受ける際に
「もし万が一預かっている子猫が亡くなったとしても、それはあなたの責任ではないですよ。 」
と繰り返し言ってもらえたのが救いになりました。
人間がどれだけ頑張っても最終的には子猫自身の生命力にかかっているのです。 どうしても救えない命があるし、その責任を必要以上に感じてボランティア自身が潰れてしまっては元も子もないのです。 活動を長く続けて1匹でも多くの子猫の命を救うためには、神経質になりすぎずおおらかな気持ちで楽しみながらお世話することが大事なのではないかと痛感しています。 目の前にいる保護猫は氷山の一角であり、全国には殺処分されてしまう猫がたくさんいることを忘れてはいけません。

※スペーサー

「いま私にできることをできる範囲でやる」

時間や体力や金銭面等ハードルはいろいろあるけれど、できる人ができる範囲で役割を分担しつつ命をリレーできたらいいと思えるようになりました。 ミルクボランティアを経験して、今我が家にいる子もこんなミルク期を経て家族になれたのかと思うと、センターの皆さんへの感謝の気持ちと共にうちの子にも前にも増して愛情が湧いてきます。 育成ボランティアで預かった子をセンターに返すのは毎回とても寂しく、1匹でも多く私が育てられたら…と考えたこともありましたが、いまの私の判断基準は“万が一被災した時に連れて逃げられるかどうか”です。そういうわけで現在うちの猫はひとりっ子ですが愛情たっぷりで最後の最後まで面倒をみたいと思っています。“できる範囲”を超えないように。 今後育成ボランティアさんが増えれば救われる命も増えると思いますが、殺処分がゼロになるという訳ではないと思います。

  • 不妊去勢手術
  • マイクロチップ
  • 生涯面倒をみる
  • 完全室内飼育の徹底
  • 野良猫のTNR(Trap :捕まえる Neuter:不妊去勢  Retern:元の場所に戻す)

など、猫を飼う人も飼わない人も社会全体が認知しなければならないことがあります。 また、これから猫を飼いたいなと考えている人には、ペットショップの他に保護猫を迎えるという選択肢があるということを知ってほしいし、そもそもなぜ保護猫が存在するのか、また里親を探すレベルまで育った背景にどんなお世話が必要なのか、ちょっと想像してみてほしいです。 愛護センターや保護団体、育成ボランティア、ミルクボランティア等いろいろ救済の手がありますが、その手からこぼれる命がひとつでも減るよう、社会全体の認識、意識が良い方向に変わることを願います。

最後に余談ですが、猫はとにかくかわいい! 1匹迎えた途端世界中の全猫が愛おしくなりました。 うちには現在思春期反抗期の真っ只中の息子がいますが、猫がいるおかげで救われることがたくさんあります。 うちの猫の存在と育成ボランティアを経験させてくれた愛護センターの皆様にも感謝しつつ、全猫への恩返しのつもりでこれからもできる範囲で育成ボランティアを続けていきたいと思っています。

青森県動物愛護センター